Design Star

日本設計之星設計師訪談:清水彩香

作ることの裏側には捨てることがある。特に、パッケージデザインの仕事が多いわたしとしては、ゴミ問題は深刻です。

只要有「創造」,背後必定伴隨著「丟棄」。尤其是對做了不少包裝設計的我來說,深刻感受到垃圾問題的嚴重性。

Q1 簡単な自己紹介をお願いします。——請簡單的自我介紹。

[JP]
1988年生まれ。2017年に独立しました。「自然と健やかさ」「東洋の伝統文化」「社会課題」「芸術と文化」にまつわるデザインにのみ関わっています。

[CH]
出生於 1988 年,2017 年開始獨立接案。僅從事和「自然與健康」、「東方傳統文化」、「社會議題」及「藝術與文化」等主題相關的設計工作。

清水彩香 Website

Q2 ⾃分はどんなデザイナーだと思いますか?——你認為自己是一位什麼樣的設計師?

[JP]
興味の対象が絞られている代わりに、探求が深いデザイナーでありたいと思っています。以前は、仕事が発生すると、その業界や商品についてイチからリサーチして学ぶことが多かったのですが、引き受ける対象を狭めてからは、常に自分に基本的な知識と興味がある状態で関わることができるようになりました。一過性の刹那的な取り組みではなく、自分の人生において必要な連綿と続く活動と捉えられるお仕事のみお引き受けしています。

[CH]
我始終希望自己是個雖然興趣範圍較窄,但能深入探索的設計師。過去有新的案件時,通常需要從零開始研究該產業或商品。但在有意識地縮小承接的案件範疇後,變得能在自己已有相關基礎知識,並且真正感興趣的狀態下投入工作。現在我只承接那些能成為人生長期課題的設計案,每一件工作對我來說不再只是一時性的短暫參與。

Q3 今回の提供作品の中から、⼀つまたは複数を選び、創作中の思いや考えを教えてください。——請從這次提交的作品之中選擇一件或數件,和我們分享創作時的想法。

[JP]
1枚目の、21_21 DESIGN SIGHTの企画展「ゴミうんち展」にて発表した「グラフィックデザイナーと環境問題」についてピックアップします。
これまでわたしたちデザイナーは、当然のように作ることだけに意識を向けてきましたが、そんな姿勢で続けられる時間はそう長くないということが分かってきました。常に、作ることの裏側には捨てることがある。特に、パッケージデザインの仕事が多いわたしとしては、ゴミ問題は深刻です。デザインが好きだからこそ、その弊害に目を向けたいと思い、様々なリサイクル工場や埋立施設を見学するなど、自分の手が届く限りの一次情報に触れ、Instagramアカウント「Lab. for E.G.」で発信してきました。今まで学んできた事実と自分自身のデザイナーとしての日々の葛藤を言葉にし、フォトグラファーの松本雅直さんの写真とともに展示しました。会期中にもリサーチを重ね、何度か更新しています。
誰かのためにしていたはずのこの職業は、多くの社会課題の上に成り立っています。一時期は事実を知るほど打ちのめされていましたが、矛盾を抱えながらも学び続け、地球規模の問題の中では塵のような工夫をして、やっと、もう少しデザイナーを続けてみようと今は思えています。

[CH]
我想特別介紹的是第一張照片的作品。這是在 21_21 DESIGN SIGHT 的企劃展「ゴミうんち展(垃圾便便展)」中展出的「平面設計師與環境問題」。
一直以來,我們設計師總是理所當然地把重心放在「創造」上。但我逐漸意識到,這樣的做法其實無法長久。只要有「創造」,背後必定伴隨著「丟棄」。尤其是對做了不少包裝設計的我來說,深刻感受到垃圾問題的嚴重性。
正因為我熱愛設計,所以更希望能正視設計帶來的負面影響。於是,我實際走訪了各地的回收工廠與垃圾掩埋設施,盡我所能地接觸第一手資訊,並透過 Instagram 帳號「Lab. for E.G.」分享這些所見所聞。在這次展覽中,我將自己至今所學到的事實,與身為設計師每天面對的掙扎與矛盾化為文字,與攝影師松本雅直的照片一同展出。展覽期間,我也持續進行研究,並多次更新了展出內容。
「設計」這個本該是為了某個誰而存在的工作,實際上卻是建立在許多社會問題之上。曾經,我因為了解這些現實而感到極度挫折,但現在,儘管內心依舊帶著矛盾,我仍持續學習,並且在這個地球規模的難題中,貢獻了自己塵埃般的微小力量後,才總算能夠繼續以設計師的身份前進。

Q4 普段、どのようにアイデアを⽣み出していますか? 発想のプロセスや⼯夫していることがあれば教えてください。——平常如何產生靈感?請告訴我們發想設計的過程,或發想時特別重視的部分。

[JP]
あまり「自分がアイデアを生んでいる」という感覚がありません。地方の仕事ならその土地や文化、音楽の仕事ならそのアーティストと音の放つエネルギーを吸い上げて、踊らされるように「作らされている」という意識が近いです。出来上がった時に、「自分が作ったものではないみたい」に思えたら、うまくいったと感じます。そのために、その土地に通い、その音楽を聴き、自分の中に力を溜め込んでいく時間をできるだけ取るようにしています。

[CH]
我其實不太覺得「靈感是我自己生出來的」。如果是跟某個地域相關的案子,我會去感受那片土地與文化;如果是和音樂相關,我會盡力吸取那位藝術家與聲音所釋放出的能量。因此與其說是我在創作,更像是隨著這些元素而起舞、自然而然地「被驅使去創造」。
當作品完成時,如果我覺得它「不像是我做的」,那表示這次的作品很成功。為了達到這種狀態,我會盡可能安排時間去造訪那片土地、聆聽那個音樂,讓它們慢慢在我體內累積力量。

Q5 清⽔さんにとっての「デザイン」を教えてください。⎯⎯ 對你而言,「設計」是什麼?

[JP]
わたしにとっては、この世で一番、齟齬の少ないコミュニケーションの手法です。

[CH]
對我來說,設計是這世界上最不容易產生誤解的溝通方式。

Q6 仕事上はどんな役割を担っていますか?——在工作中通常扮演什麼樣的角色?

[JP]
グラフィックデザインを主軸とした、アートディレクターです。なのでディレクションもするのですが、良くも悪くも人に頼ることが苦手な、自分で手を動かさないと気が済まないグラフィックデザイナーの一面が根っこにあります。

[CH]
通常是以平面設計為主的藝術總監。儘管如此,由於我「不太擅長依賴他人」這樣一體兩面的性格,本質上來說,也是個凡事都非得親自動手的平面設計師。

Q7 清⽔さんにとって、仕事において最も満⾜できるのはどんな瞬間ですか?⎯⎯ 在工作中,最令你感到滿足的是什麼樣的時刻?

[JP]
「根付いた」と感じた瞬間です。わたしたちの仕事は、デザイナー自身が中心にいることは少なく、別に主軸となる事業や土地があります。特にブランディングの仕事において、その事業や土地に、受け入れられ、根付き、自分が手離れしてもしっかりと手入れされて咲き続け、欲を言えば、生み出した自分自身すら想像しなかったような美しい花が開くのを見ることができたら、この上ない喜びです。先ほども書いたように、本質的には自分で手を動かさないと納得できない人間なので、そこまで思わせていただく機会はそう多くありません。

[CH]
感覺到「我的設計真正扎了根」的瞬間。
我們的工作,大多時候主角並非設計師本身,而是某個事業、某片土地。尤其是品牌塑造的案子,如果那個品牌或那片土地真正接納了我的設計,讓它逐漸扎根,即使在我退出後,它仍能被好好維護、持續綻放,甚至開出了連我這個創作者都未曾想像過的美麗花朵,那對我來說就是莫大的喜悅。
如同我前面所寫的,我本質上是個非得親手執行才會放心的人,所以能有這種感受的機會其實並不多。

Q8 仕事の時、⼀番出くわしたくないもの・出来事は何ですか?——工作時,最怕遇到什麼(人、事、物)?

[JP]
自分自身の中に生まれる、全体から見るとあまり意味のない固執です。この固執こそデザイナーだと昔は思っていましたが、今は、何をどの程度、どの瞬間で手放すかを見極める力こそデザイナーだと感じます。それは同時に、絶対に手放してはいけないものを選び抜く力でもあり、厳選された手放してはいけないものが、手放したものと一緒に、自由にいきいきと輝けるようにしたいと思っています。

[CH]
我最怕遇到的,是自己心中出現那種「整體來看其實沒什麼意義的執著」。
過去我曾經認為,有這樣的執著才是真正的設計師。但現在我反而覺得,能夠判斷「什麼該放下?該在什麼時候放下?又該保留多少?」才是設計師真正需要的能力。
當然,這同時也包含能辨別「什麼是絕對不能放棄的東西」。我希望能讓那些經過慎選,無論如何都不能妥協的元素,能夠與其他被捨棄的東西一樣,自由且充滿活力地發光發亮。

Q9 もし清⽔さんがデザイナーではなかったならば、どんな形でこの社会に存在していると思いますか?⎯⎯ 如果今天不是設計師,你會以什麼樣的角色存在於社會中?

[JP]
最近、ドラマの影響で裁判官に興味を持ちました。未来への布石でもある判決文ひとつひとつに宿る、強く、そして憂いを帯びた意思と、(少し動機が不純かもしれませんが)たまに感じられるその文学的表現に完全に胸を打たれてしまいました。高校生くらいの時にこのドラマを見ていたら、間違いなく「法学部に行きたい!」と思っていたことでしょう。

[CH]
最近因為一部日劇,開始對「法官」這個職業產生興趣。每一份判決書中,蘊含著強烈而哀傷的意志,以及(雖然這個動機可能有點不純)字裡行間偶爾流露出的文學性,都讓我深受感動。
如果我在高中時期就看到這部劇,說不定真的會立志考法律系。

Q10 仕事にひと段落ついたとき、おすすめのリラックス⽅法や癒しスポットがあれば教えてください。——請告訴我們每當專案告一段落,推薦的放鬆方式或喜歡去的地方。

[JP]
仕事にひと段落ついたら、次の仕事をしてしまいます・・・が、たまに漢方オイルマッサージ店に行くことはあります。あと、よくお香を焚きます。

[CH]
通常工作告一個段落後,我就會緊接著開始下一個案子⋯⋯不過偶爾還是會去做漢方精油按摩放鬆一下。還有,我也很喜歡點各種線香。

Q11 仕事以外に、夢中になっている趣味などはありますか?——工作之餘,是否有特別投入的興趣?

[JP]
日本の伝統技法である型染です。人間国宝・芹沢銈介の系譜の工房である「型染工房 たかだ」にて、月に一度、職人の先生に教わりながら制作しています。デザイナーの仕事はほとんどの場合、意味や説明と共にあります。型染教室では、いかにそれらと無縁であれるかをテーマにしています。

[CH]
工作之餘的興趣是日本的傳統技法「型染」。我每個月都會去「型染工房 たかだ」上課,這間工房承襲自人間國寶芹澤銈介的技藝,在職人老師的指導下學習製作型染。
設計師的工作幾乎總是伴隨著意義與說明,但在型染的課堂中,我刻意以「與這些脫鉤」作為主題去創作。

Q12 好みの書物と映画・ドラマを、⼀つずつ教えてください。——請推薦一本你喜歡的書籍以及一部喜愛的電影/影集。

[JP]
今更ですが、最近、ミヒャエル・エンデの『モモ』を読み、本の中の言葉がわたしの脳内に勝手に描いていく映像世界があまりに美しく、しばらく抜け出せなくなりました。
裁判官という職業が気になるきっかけになったドラマは『虎に翼』です。

[CH]
雖然這本書大家可能早就讀過了,但我直到最近才閱讀米夏埃爾・恩德的《默默》。書中的字句自動在我腦海中展開的一幅幅畫面,美到讓我好一陣子無法從中抽離。
至於讓我對「法官」這個職業產生興趣的劇集則是《虎に翼》。

Q13 ⽇本や海外で、お気に⼊りのショップとその理由を教えてください。——請告訴我們在日本或國外你喜愛的店家,以及喜歡的理由。

[JP]
台北にある「Kamaro’an」が大好きです。台湾の原住民の伝統的な手仕事を、台湾のデザイナーが再解釈してデザインしたバッグや雑貨のブランドです。こんなにも洗練されているのに、造形は野菜のように純朴です。

[CH]
我非常喜歡位在台北的「Kamaro’an」。這個品牌由台灣設計師重新詮釋台灣原住民的傳統工藝,設計出一系列包袋與日常物件。雖然整體風格極為洗鍊,造型本身卻帶有如蔬菜般自然樸實的魅力。

Q14 優れたデザイナーには、どんな特徴・条件が備わっていると思いますか?——你認為一位優秀的設計工作者,應該具備哪些條件?

[JP]
デザインが“本当に”“かなり”“相当”好きであること。真面目であること。最後に、友好的であること。逆に言えば、この3つがあればどんな人でも良いデザイナーになれると思っています。自分自身も研磨中です。

[CH]
第一,是真的、相當、非常喜歡設計。第二,是認真。第三,是友善。
反過來說,只要具備這三點,不管是什麼樣的人,我都相信他能成為優秀的設計師。我自己也還在努力磨練當中。

Q15 デザイン業界を⽬指しているデザイナーに、届けたいメッセージをお願いします。——請給準備進入設計圈工作的朋友一些職前的建議。

[JP]
これからAIに真っ先に取って代わられる職業のひとつがデザイナーかもしれません。AIが作るデザインをディレクションする、という立ち位置すらAIができるようになりそうな勢いです。それに危機を感じるのか、それともこれから求められていくことの変化にわくわくできるのか、自分に問うてみて、後者であれば、きっと大丈夫だと思います。

[CH]
設計師這個職業,說不定會是未來最先被 AI 所取代的其中之一。甚至連「指示 AI 做設計」這個位置,以目前的趨勢來看,也可能之後 AI 自己就能勝任。所以不妨先問問自己:對於這樣的未來,你會感到焦慮,還是對於未來的需求轉變感到興奮?如果是後者,那我相信你一定沒問題的。

Q16 今注⽬しているデザイナー、或いはデザインコレクティブと、その理由を教えてください。——推薦一位你關注的設計師或設計團體,並告訴我們為何欣賞。

[JP]
「今注目しているデザイナー」を聞かれてこの方の名前を出す人は逆にいないと思いながらも、佐藤卓さんです。ご一緒させていただいた展覧会のお仕事で、こんなにも、誰よりもデザインが大好きで、デザインが面白くて面白くてたまらない!という表情で打ち合わせをする人をはじめて見ました。佐藤さんのように、鼻歌まじりにスキップしながら若い世代を引っ張れる魅力的な大人になりたいです。

[CH]
雖然說出這個名字時,或許反而沒人會覺得他是「正在關注的設計師」,但我還是想推薦佐藤卓老師。
曾經有幸和佐藤老師一起參與某個展覽專案,那是我第一次見到一個人,能用一種比誰都還要喜歡設計、像是在說「設計真的太有趣、太好玩了!」的神情在談論設計。
我也希望自己能成為佐藤老師那樣,彷彿一邊哼著歌、一邊小跳步帶領年輕世代往前走的、充滿魅力的大人。

編者Minyu Wen

這段訪談讓我想起作家 Anna Lappé(安娜・拉佩)說過的一句話:「你的每一次消費,都是在為你理想中的世界投票。」
如果消費是投票,那麼設計師,就是負責勾勒那個理想世界藍圖的人之一。
訪談裡,清水小姐選擇了自己想守護的價值,並且用雙手一點一滴地實踐。也希望每個人都能找到自己願意投入的信念,用設計、用行動,為想要的世界添上一筆。


READ MORE